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電車も・バスもローマ
先日のハロウィンで、ナチスの軍服を連想させるとされる衣装を着たアイドルグループがイスラエルから抗議を受けるというニュースがありました。
決して今に始まったことではないのに、驚かれた方もおられるのでは?
プロレスラーが入場の時に、ナチスの軍服っぽい格好で入場するのを見たことがあります
アイドルのダンスに、ナチスの敬礼っぽい振り付けを見たことがあります
アニメのキャラクターで、あきらかにドイツの軍服を着ているのもあります。
ネットがないころは、日本で何をやっても、誰の目に止まらなかった。
しかし現地は多少雰囲気が違って
僕がパリに住んでいる時に、エフェル塔の前でナチスの敬礼で写真をとった日本人が逮捕されたという事件もありました。
今回、突然の騒動は
ネットを通じて、日本の出来事が世界中で閲覧されるようになったことも一因ですね。
さて
ナチスが第二次世界大戦でユダヤ人を殺戮した
その軍服や敬礼や思想を踏襲してはいけない・・・きっと、多くの日本人はそう認識しているでしょう。
だから、今回の抗議も「まあ、そりゃそうだよね」という感覚で捉えていると思います。
その反面、「敬礼したくらいで逮捕・・・?少し大げさじゃない?」という気持ちもあるのでは?
そうなんです。
上記の理由だけではないのです。
誤解されやすいことを言うので、ちゃんと読んでもらいたいのですが
「ナチスは、悪いことをしたから、その軍服を着てはいけない」
というだけではないんです。
どうして、彼らがそこまで嫌がるのか・・・
遠い国のことを知ってやるのと 知らないでやるのは違うと思いますので・・・
ナチスの軍服を着てはいけない本当の理由
それは
軍服が格好いいからなんです。
冗談で言っているのではありません。
ナチというのは、人々を煽動するために、ありとあらゆる心理作戦をとっていました。
ヒトラーの演説は、おそらく今でも多くの政治家が参考にしているくらい
人の心を掴むものでした。
演説の時間は、みんなが1杯飲んだあとの、少し高揚した時間を選びました。
演説の前に、ドイツが生んだ偉大な作曲家ワーグナーの楽曲を流しました。
ヒトラーは、そこに登場し、しばらく喋りません。
その姿に、さらに人々は興奮してゆきます。
そこから、静かに語り始めます。
まるで一つの舞台です。
エンブレムもまるでローマ帝国で
敬礼も、どこの国とも違う、何か自分たちを特別な軍団だと思わせるものがあります。
そこで極め付けが
軍服なんです
ヒトラーの「軍服はかっこよくなければ」という思想をもとに作られています。
とにかく、格好いいんです。
ナチがした所業を全く抜きにして
ただデザインとしてだけ、この軍服を見てください
これはすごいことで
恐ろしいことなんです
最近、イスラム国に入るヨーロッパの若者がいますが
理由を聞くと「かっこいいから」なんです
日本で、うっかりコスプレしちゃったり、衣装にしちゃったり、ダンスに取り入れるのは
やはり、どこかで、この格好よさに心惹かれているからでしょう?
右も左もわからない子供や
ヨーロッパに多い教育を受けてない若者
彼らにとって
この軍服はとても魅力的で
憧れてしまうのです。
現在でもネオナチという坊主頭の怖いお兄さんたちがいて
彼らヒトラー信望者による犯罪が多くあるヨーロッパです
さらに言えば、「ユダヤ人に仕事をとられた!」と憎んだ世界大戦の時と
移民の受け入れでゆれるヨーロッパは
少し状況が似てきているのです
今度、ヒトラーの生家が取り壊されます
「汚らわしい」というヒステリックな理由ではありません
そこがネオナチの聖地になるというリアルな可能性を恐れています。
つまり彼らにとって
軍服を着ると「被害者が傷つくからいけない」という理由に加えて
若者が憧れかねないあの衣装を着てはいけない
というリアルな恐怖なんです。
ナチスとは、ヨーロッパにおいて
着てはいけない
歌ってはいけない
ポーズを真似してはいけない
もう、社会にさらしてはいけない
いつ、あの亡霊が蘇ってくるかと、今でも恐怖を抱えているのです。
まるで使用済み核燃料のように、なかったことにはできないけど
封印して、人目に晒してはいけない・・・・そういう呪われた遺物であり
そのくらい、一歩間違えば・・・
魅力的な要素が沢山あるのです。
だから、危険なんです
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